12.四王寺

  • 四王寺山山頂の四王寺

    所在地:倉吉市大谷字一ノ谷1092-1

  • 寺 名:四王寺
  • 創 建:867(貞観9)年5月26日
  • 守護神:四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)
  • 縁 日:旧暦2月5日(春)  旧暦6月5日(夏)
    • 夏祭りは、近年 祝日の「海の日」に行っている。

1 四王寺の建立
867(貞観9)年、新羅の海賊によって北九州、山陰沿岸の各地は脅威にさらされたことから、朝廷は海岸防備体制の強化の諸施策を講じ、その1つが「四王寺」の建立であり、守護神「四天王」を安置する仁祠の建立と賊心調伏のための修法(金光明最勝王経)が、それぞれの国司に命じられた。
伯耆、出雲、石見、隠岐、長門の5カ国に対して、朝廷から四天王像各1舗が下され、伯耆四王寺は、日本海を見下ろす絶好の地である四王寺山山頂(標高171m)に建立された。(日本三代実録)

2 四王寺の歴史
その後、朝鮮半島は安定し海賊の略奪もなくなり、時代が移り変わるなか、四王寺の役割も次第に民間信仰へと変化し、江戸時代の宝歴年間に定光寺(倉吉市和田)の末寺「法幢寺」が開山され管轄が移行していった。
四王寺の本殿と拝殿(1919(大正8)年2月建築)は、四王寺山(通称 しほっつぁん)の山頂に建立されていたが、1931(昭和6)年3月火災により本殿および拝殿は共に焼失した。
その後、拝殿のみ再建され、遅れて1954(昭和29)年2月には本殿が拝殿の奥に増設して再建され現在に至っている。
焼け焦げたご神体(等身大の木彫りの四天王像)は白衣に包まれ現在も本殿に安置されている。
日本海側沿岸5カ国に建立されたはずの四王寺であるが、伯耆四王寺を除いてはほとんど現存しないなか、重要な史跡となっている。

3 四天王(守護神)について
四天王は、仏教では帝釈天・梵天と共に法の護法神として登場し、元来はインドにおける方位の守護神として信仰されていた神。
須弥山(仏教において、世界の中央に聳えるという山)の頂上の宮殿に住む帝釈天の部下として四方の門を守っている。
(北門:多聞天、東門:持国天、南門:増長天、西門:広目天)
日本の四天王信仰は、飛鳥時代からあり、聖徳太子が物部守屋との戦いで戦勝祈願したのが四天王であり、勝利の後、四天王寺を建立したことが日本書紀に記録されている。
その後、四天王信仰は国家の繁栄や安泰の祈願にも推移した。

4 民族信仰における四王寺
〔四王寺の民間信仰〕
鎮護国家のため建立された四王寺は、時代を経て太平洋戦争など昭和初期には戦勝祈願で賑わい、また、四天王の中の「増長天」が五穀豊穣の力を持ち、「多聞天」は、またの名を「毘沙門天」と呼ばれ福神として商売と関連していたことから、農業の神、商業の神へと転嫁し守り継がれてきた。

〔縁日:旧暦2月5日(春)〕
四王寺の祭りは、旧暦2月5日「農事始めの春祭り」として、豊作祈願と共に、農家が冬の農閑期に作った、わら細工(草履)や竹細工(ざる、背負子)など生活用品や農具が持ち込まれ、近郷近在から大勢の人が集まり境内を始め、道路脇や空き地での「市」が開かれ大変賑わった。
戦後、四王寺への参拝者が減少し、その原因は戦勝祈願が敗戦によりなくなったことのほか、四王寺が市街地から遠いためと考えられたことから、昭和37年ごろ倉吉市河原町の小鴨橋たもとの大銀杏付近に遥拝所を置き、その周辺道路脇で「四王寺市」が開かれた。
しかし、それも2~3年のことで昭和40年代には衰退した。

〔縁日 旧暦6月5日(夏)〕
田植えが終わって一段落した、旧暦6月5日の「夏祭り」は、地元で行われてきたが、近年は、祝日となる「海の日」に子ども神輿も参加し、集落内を巡幸後、四王寺山山頂の本堂で神輿渡御の祭祀が行われ、境内には出店も出て賑やかな祭りとなっている。

  • 参考資料
    • 四王寺の祭りについて 県立公文書館県史編さん室 樫村賢二
    • 四王寺山の変遷と現況について 四王寺総代 谷口瑞樹

 

 

 四天王(守護神)

多聞天

持国天

広目天

増長天

※四天王4体は、火災前の写真

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